親が住む自治体の高齢者見守りサービスを探すときは、市区町村の公式サイトで「見守り」と検索するのではなく、「緊急通報システム」「高齢者配食サービス」「地域包括支援センター」の名称で調べるのが近道です。要介護認定を受ける前や非該当の親でも市区町村の地域支援事業や独自の福祉事業として利用できる場合があるため、まずは親の住民票がある地域の地域包括支援センターまたは市区町村の高齢者福祉窓口へ電話して対象条件を確かめます。
自治体の高齢者見守りサービスが公式サイトで見つからない理由と事業名称
離れて暮らす親の安否確認や生活支援を自治体の制度で補えないかと考え、市区町村のホームページで「見守りサービス」と検索しても、該当するページが見つからないことは珍しくありません。制度が存在しないのではなく、行政上の事業名称が民間のサービス名と異なるためです。
多くの市区町村では、高齢者向けの安否確認や生活支援を「緊急通報」「配食」「地域支援事業」といった目的別の名称で分けて運用しています。親の現在の暮らしぶりと照らし合わせながら探せるよう、自治体で設けられている主な事業区分と窓口、民間サービスを併用する場合の費用目安を表に整理します。
| 自治体の事業区分・検索キーワード | 主な支援内容・機器の仕組み | 相談・申請の窓口 | 対象者の目安と民間契約時の公表料金(税込) |
|---|---|---|---|
| 緊急通報システム事業(緊急通報装置・あんしん電話) | 専用ボタンやペンダントでの緊急通報、トイレ等の人感・開閉センサーによる安否確認と駆けつけ。ALSOKの自治体向けサービスだけでも全国約530自治体(2026年3月末現在)で導入。 | 市区町村の高齢者福祉課・地域包括支援センター | ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯など。民間でHOME ALSOK みまもりサポートを契約する場合はゼロスタートプランで初期0円・基本月額3,069円。 |
| 高齢者配食サービス(食の自立支援・見守り配食) | 栄養バランスの取れた弁当を自宅へ手渡しで届け、受け取り時に声かけと安否確認を行う。異変時はあらかじめ登録した家族や地域包括支援センターへ連絡。 | 地域包括支援センター・市区町村の高齢福祉窓口 | 食事の調理や買い物が困難な高齢者世帯。自治体の補助対象外となる場合は民間の宅配弁当や郵便局のみまもり訪問サービス等を検討。 |
| 見守り機器・家電の購入・利用助成事業 | 通信機能付き電気ポットやセンサー等の初期費用・月額利用料の一部を補助、またはふるさと納税返礼品として提供(鳥取県日野郡日南町などの象印「みまもりほっとライン」助成対象地域など)。 | 市区町村の高齢者福祉担当窓口 | 自治体ごとの年齢・独居要件を満たす世帯。象印「みまもりほっとライン(iポット)」を一般契約する場合は初期5,500円・月額3,300円(初月1ヶ月無料)。 |
| 地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業) | 要介護認定で非該当となった人や基本チェックリスト該当者に対する訪問型・通所型の生活支援サービス、地域のサロンや見守りネットワークへのつなぎ。 | 地域包括支援センター・市区町村の介護保険窓口 | 65歳以上で生活機能の低下が見られる高齢者。要介護認定(要支援1・2〜要介護1〜5)を受ける前でも相談可能。 |
市区町村のサイト内検索を使うときは、「高齢者 緊急通報」「高齢者 配食」「高齢者 福祉のしおり」といった語句で検索すると担当課の案内ページやPDFのガイドブックにたどり着きやすくなります。民間の見守りサービス全体の料金体系や選び方については親の見守りサービスは4類型で選ぶ。公式料金の実測比較で比較しています。
どこに相談すればよいか|市区町村窓口と地域包括支援センターの役割分担
事業名称の見当がついたら、次は具体的な相談先を決めます。厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」および「地域包括ケアシステム」の公表資料では、高齢者の生活支援や介護に関する相談窓口として「市区町村の窓口」と「地域包括支援センター」の2つが案内されています。
地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などを配置して住民の健康保持と生活の安定を包括的に支援する拠点です。令和7年4月末現在、全国で5,487か所(ブランチ・支所を含めると7,374か所)設置されています。1つの市区町村の中に中学校区などの生活圏域ごとで複数のセンターが割り当てられているため、「親の住所を担当する地域包括支援センター」へ電話するのが実務上の第一歩になります。
家族が迷いやすいのは「要介護認定を受けていない親でも相談してよいのか」という点です。厚生労働省の解説では、要介護認定の申請から原則30日以内に要支援1・2から要介護1〜5までの7段階および非該当の通知が行われるとしたうえで、「要介護認定で非該当と判定された場合でも、市区町村が行っている地域支援事業などにより、生活支援サービスが利用できる場合があります」と明記されています。つまり、まだ介護保険の申請をしていない段階でも、地域包括支援センターへ連絡して構いません。
窓口での手続きをスムーズに進めるため、親の状態に合わせて次の3つの入口を使い分けます。
- 親がひとり暮らしで急病や転倒時の連絡手段を確保したい場合は、市区町村の高齢者福祉課または地域包括支援センターへ「ひとり暮らし高齢者向けの緊急通報システムや見守り助成はあるか」と尋ねます。
- 買い物や調理、掃除などの日常生活に少しずつ負担が出始めている場合は、地域包括支援センターで基本チェックリストによる事業対象者の手続きを相談し、地域支援事業の生活支援や配食サービスの対象になるかを確認します。
- 入浴や排泄、立ち上がりなど身の回りの介護サービスもあわせて使いたい場合は、要介護認定の申請窓口と申請から認定までの流れに沿って、65歳以上の第1号被保険者は介護保険被保険者証(40〜64歳で16疾病に該当する第2号被保険者は医療保険証)を添えて申請手続きを行います。
自治体の窓口へ電話・訪問する前に揃える親の情報と3つの注意点
地域包括支援センターや役所の高齢者福祉課へ問い合わせる際は、事前に親の基本情報を手元にメモしておくと1回の電話で使える制度を洗い出せます。電話口で聞かれることが多いのは、親の氏名・生年月日(年齢)・正確な住所・世帯構成(完全な独居か、日中のみ独居か、高齢者のみ世帯か)・現在の要介護認定の有無・かかりつけ医の有無の6項目です。
一方で、自治体の見守り事業や助成制度には、公的支援ならではの要件や手続き上の制約があります。申請段階で詰まりやすい3つの注意点を事前に押さえておきます。
相談・申請先は「子世帯の自治体」ではなく「親の住民票がある市区町村」になる
自治体の高齢者福祉事業や地域支援事業は、住民票がある市区町村の住民を対象に実施されています。離れて暮らす子どもが自分の住んでいる市区町村の窓口へ行っても申請はできません。親が住んでいる市区町村のホームページで「〇〇市 地域包括支援センター 一覧」を検索し、親の町名・番地を受け持つセンターへ直接電話してください。
自治体貸与の緊急通報装置は「近隣の協力員」の登録が条件になる場合がある
市区町村が低額または無料で貸し出す緊急通報システムでは、ボタンを押した際に駆けつける近隣の協力員(親族や民生委員、近隣住民など複数名)の事前登録を必須としている自治体があります。近所づきあいがなく協力員を頼める人がいない場合は、警備会社のガードマンが直接駆けつける方式の自治体事業か、民間の見守りサービスを選ぶ必要があります。
見守り機器の助成金は「購入・契約前」の申請が原則になる
鳥取県日野郡日南町など、象印マホービンの「みまもりほっとライン」をはじめとする民間見守り機器に助成金を設けている自治体や、ふるさと納税返礼品として採用している自治体があります。自治体の補助金・助成金は、個人で先にメーカーと契約・決済した後にさかのぼって請求できないケースが多いため、必ず契約前に市区町村の窓口で申請手順を確認してください。
自治体の対象外・待機になったときの民間見守りサービスとの組み合わせ方
自治体の窓口へ相談した結果、「同居家族がいるため独居要件に当てはまらない」「課税世帯で助成の対象外になる」「機器の在庫や審査の関係で利用開始まで日数がかかる」と判明することも少なくありません。その場合は、初期費用を抑えてすぐに始められる民間の見守りサービスを単独または公的サービスと組み合わせて導入します。
全国約530自治体(2026年3月末現在)で高齢者見守りサービスが導入されているALSOKでは、個人向けの「HOME ALSOK みまもりサポート」を提供しています。公表されている3つの料金プラン(税込)は、機器レンタルで初期費用0円・月額3,069円の「ゼロスタートプラン」、初期設置費13,365円・月額2,838円の「レンタルプラン」、初期費用70,565円(機器費57,200円+設置費13,365円・機器は10年間無料保証)・月額1,870円の「お買い上げプラン」です。
コントローラーの緊急ボタンを押せば24時間365日いつでもガードマンが追加料金0円で自宅へ駆けつけます(緊急以外で家族から依頼した駆けつけは1回につき7,700円税込)。さらにトイレ等のドア開閉を検知して一定時間反応がない場合に自動通報する「ライフリズム監視サービス」を付ける場合、ゼロスタートプランなら初期0円・月額+715円(レンタルプランは初期工事費+5,280円・月額+627円、お買い上げプランは初期工事費+5,280円・機器費+17,622円・月額+330円)で追加できます。
一方、工事やセンサーの設置を親が負担に感じる場合は、日常の湯沸かし動作で安否を知らせる象印マホービンの「みまもりほっとライン(iポット)」が選択肢になります。サービス開始から25年以上の実績があり、約15,000人(2026年8月時点)に利用されているサービスです。無線通信機を内蔵した電気ポットをコンセントに挿すだけで、1日3回まで設定した時刻に直近5件の使用状況(電源投入・給湯・外出・帰宅・空だき)と未操作時間をEメールで通知し、24時間以上または36時間以上操作がない場合の通知も選べます。
iポットの料金は初期費用5,500円(税込)・月額利用料3,300円(税込・クレジットカード決済のみ、VISA / MASTER / JCB / AMEX / DINERS対応)で、初月1ヶ月は無料です。無料期間中に解約すれば初期費用5,500円は全額返金され(課金開始後6ヶ月以内の解約は解約料が発生)、親の入院などで長期不在になる際は年1回・最長2ヶ月まで月額無料の休止措置が利用できます。対面での声かけを足したい場合は郵便局の見守りサービスの料金と訪問内容もあわせて比較すると、親の暮らしに合った体制を組めます。
自治体の高齢者見守りサービスに関するよくある疑問
本記事は社会福祉士・介護支援専門員・医師等の有資格者による個別の監修を受けていません。厚生労働省および各事業者の公表資料に基づき自治体の高齢者見守り関連制度と民間サービスの一般的な仕組みを整理したものであり、個別の自治体における受給資格や認定結果を判断するものではありません。具体的な対象要件や申請手続きはお住まいの市区町村窓口または地域包括支援センターへお問い合わせください。
原典
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム サービス利用までの流れ」(要介護認定申請・原則30日以内の通知・非該当時の地域支援事業)
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」(地域包括支援センターの設置主体・全国5,487か所/ブランチ含め7,374か所[令和7年4月末現在])
- ALSOK「高齢者見守りサービス HOME ALSOK みまもりサポート」公式ページ(自治体導入数約530自治体・基本プラン料金・ライフリズム監視サービス)
- 象印マホービン「みまもりほっとライン(iポット)」公式サイト・よくあるご質問(FAQ)(料金・通知仕様・自治体助成対象地域の案内)
各制度・サービスの料金および仕様は上記確認日時点の公表値です。